記憶の果て – 浦賀和宏

今、人気急上昇中の若手人気小説家(!?)である、浦賀和宏の本を読んだ。 彼は、知る人ぞ知る第5回メフィスト賞の受賞者だ。 しかし、僕が最初に浦賀和宏を目にしたのは、そんな理由ではない。 彼の本の表紙が、大好きな森博嗣の本にそっくりだったのだ。 どんな風に似ているかは、右の画像を見てもらいたい。 ちなみに、浦賀和宏のほうはアルファベットが、 森博嗣のほうは紫の部分が光っている。 (もっと、詳しく知りたい方は、お近くの本屋さんへ) そんなわけで、浦賀和宏が気になっていたのだ。 それで、この「記憶の果て」がメフィスト賞の受賞作だ。 内容は普通によくかけた話だ。難しいことは考えずにどんどん読める。 でも、はじめが少しつらい。 題材としては、人工知能の意識がどうこうといった、別に斬新でもない。 コンピュータとかも、現実感はなく、よくいう理系ミステリな感じでもない。 それより、ミステリではない。 ミステリが、古典的な、 探偵がいて謎を解く小説をさすのならこれはミステリではない。 裏表紙で、京極夏彦は、「紡がれたテキストは、ミステリだとかSFだとかいう既存の 枠組に与することを嫌っているかのようである・・・」といっているが、 この話はSFだろう。 しかし、ジャンルは別に対して問題ではない。 結末は、あまりよくなかった。 あと、「この時、朝倉に聞かされた話ほど衝撃的なものはなかった。」といって、 「でも、俺は朝倉に聞かされた話をここで語ることなどしない」というのに、 少しむかついた。 なんとなく、卑怯な気がする。 朝倉に聞かされた話も衝撃的だったのなら別に構わないが、 いちばん衝撃的なものが、この話だといっておいて、 内容を言わないのは釈然としない。

森博嗣のミステリィ工作室 – 森博嗣

この話は、ミステリィではない。帯にも書いてあるように、森ミステリィの 舞台裏がかかれている。個人的にはこういう本は好きだ。 でも、好きなところもあれば、嫌いなところもある。あたりまえだ。

狂骨の夢 – 京極夏彦

骨のお話です。結局のところ、話の中心となってるのは、 記憶喪失の後、別人になって生きているというところでしょう。 しかし、余計な話が多すぎます。 長すぎるくらいに長いのですが、話がそれに負けないくらい あって、結局のところ、説明不足気味に感じてしまう。 前の2作に比べて、昔話に沢山ページを使いすぎてるような気もする。 ちょっと、くどいかな。 この1500年前に事件の原因を求める辺りが、清涼院とにている。 個人的には清涼院の評価がダウン。

冷たい密室と博士たち – 森博嗣

犀川&萌絵シリーズの第2弾。やっと、文庫になったのでさっそく購入した。 ノベルズ版は値段が高い。 最初に思ったのは、Fに比べて普通の話だということ。 細かいところでは、森らしくていいのだけれど、舞台設定やストーリーなど、 Fほどすごくない。より幅広い読者を獲得するために、こういうう風になって しまうこともあるのかもしれないと思った。 意味がないギャグがいいとか、数学は役に立たないところがいいとか、 前回と同じネタが気になった。こういう思考は大好きだし、森作品の本質の ひとつだと思うのだが、それだけに再利用はいただけない。 ストーリー的には、実は親子っていうのが安易に感じられた。 あと、ちょっとした表現として「恐竜の頭痛」とか、いいセンスだと思う。

動く家の殺人 – 歌野晶午

実際には家は動きません。長い家、白い家に続き、動く家で家シリーズも 3作目だと思うが、実はこのシリーズ、信濃譲二が探偵役だということに いまさらながら気がついた。なんといっても、信濃譲二という名前が あまりカッコよくないので、ただの感じの悪い変わり者みたいなキャラに 錯覚していたが、実は3作とも彼が華麗に解決してるのだ。 (華麗かどうか知らないが・・・) それでこの話、実は話の大部分において信濃譲二を名乗ってるキャラが 偽者なのだ。話が信濃譲二の1人称で、ちょっと読みにくいなぁとは 思っていたが、よく見てみると、偽者の部分は、地の文ではすべて「俺」と表現 していて、信濃譲二の名前が出てこない。 作者は地の文では嘘をついてはいけないという原則を一応は守っていたのだ。 結局、家が動くというのは偽者が考えた間違った推理だったのだけど、 現実的だね。それに伊沢さんがいい人すぎる。 人間年をとるというのはそういうものなのかな。

魍魎の匣 – 京極夏彦

京極堂シリーズ第2弾、この人の話も読みなれてきたので、すんなり読める。 基本的に話はシンプル、起こる出来事も至極まっとう。 それでいて、話術とか言葉によっていろいろ翻弄するのだ。 今回の話はなんかデジャヴな感じがしてしまった。 こわいこわい。 鳥口くんが、思っていた以上にしっかりとしたキャラに思えてきた。 かれは「うへえ」と言っているだけではなさそうだ。

ユリ迷宮 – 二階堂黎人

二階堂蘭子シリーズ。長編かと思っていたのだが、実は短編集。 全3作品で、最初の二つは本当に短編、 最後の一つは中篇くらい(そんな言葉あるのか?) いちばん最初の「ロシア館の謎」という綾辻とも有栖ともとれるような (タイトルだけ) 非常によくできてておもしろい。 あとは、それなり。

聖アウスラ修道院の惨劇 – 二階堂黎人

ひさびさに、二階堂黎人の本を読んだ。 この本は二階堂蘭子シリーズだ。 修道院という閉鎖された空間で起こる本格風の作品。 なんだか、一度は吸血鬼が犯人で解決しそうになって、 こいつは清涼院か?とあせったが、普通の本格もので ちょっと安心。