クビキリサイクル – 西尾維新

西尾維新は下から読んでも西尾維新だということに今更ながら気がついた。 そして、クビキリサイクルは第23回メフィスト賞受賞作。 結構長編なのだが、最初の世界の構築というかキャラ説明の部分がつらい。

結局のところ、すごいやつがすごいことを説明するのは困難なんだと思う。 絶対的には説明できない。 世界か閉じている場合はその世界の中で最高に評価されているというで表現し、 閉じていない場合は今まですごかったやつがさらにすごいと評価することで表現する。 書き下ろしの小説は前者が多く、漫画の連載のような場合は後者が多いだろう。 この作品には天才がたくさん出てくるのだが、 あまりうまく説明できているとは言いがたい。

そして、長い前置きに耐え抜いたところで、やっと事件が発生する。 ここからは普通にミステリとして楽しめる。 全体的には、Pとも¬Pともとれる状況で話がぐるぐると展開し少々せわしない。 しかし、伏線もいい感じで配置してあり、素直に読めば悪くない。

個人的には、最後のほうで、請負人が実は・・・ だったというところで一番にやりとしたが、これを書くのはネタばれが過ぎるだろう。

神のふたつの貌 – 貫井徳郎

プロテスタントの牧師の親子が主人公で、神の愛について考える話。 親が主人公の章と、子が主人公の章があるのだが、 二人の生い立ちがよく似ているという設定を利用した叙述トリックのような構成。 最終的にミステリ的な落ちはない。

インストール – 綿矢りさ

今更ながら読んだ。女子高生が日常からちょっと飛び出す話。 特に展開はしない。ちょっと飛び出して日常を再認識して終わり。 作者がかわいい女子高生ということも含めてひとつの作品と言う感じ。

走れメロス – 太宰治

メロスは激怒した。 この冒頭の一文のインパクトがこの作品のすべてだと言っても過言ではない。 それにしても理不尽な話である。

ドミノ – 恩田陸

登場人物の数がすごい。メインキャラが27人と1匹。 東京駅を舞台にした事件を中心に、それぞれのキャラがそれぞれの世界を繰り広げる。 Massively Multi-主人公小説。

ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ – 霧舎巧

第12回メフィスト賞受賞作。 かなりの長編だが、細かいところまでよく練りこまれている。 終始理屈っぽい会話で進行し、伏線のすばらしさとかまさに本格。 この話の本質ではないが、個人的には霊能者みたいなのは好きではない。 建物のトリックは小説ではなんとでもかけるので多少アンフェア。