ミステリ史上に残る傑作と言われる、「匣の中の失楽」です。 最近の、いわゆる新本格などと呼ばれるミステリ、もしくはそれ以外のものでも、 よく名前が出てきます。 それは、本文中かもしれませんし、後書きの中でかもしれません。 いわゆる、ミステリが大好きな、ミステリを愛してるミステリ作家は、 少なからず、この作品にインスパイアされているということなのでしょう。 というわけで、読んでみました。 この作品は、しばしば「アンチ・ミステリ」などと、評されてきたみたいですが、 綾辻行人は、あえて、「本格ミステリ」と呼びたいといっている。 作中作と、現実を(もちろん、作中の)巧妙に絡み合わせて、 ミステリを構築している。 しかし、これを今、初めて読んでしまうと、衝撃をあまり受けないのです。 残念なことに。 本当は、これが21年も前に書かれた作品だというところが、すごいのでしょう。 狭義の本格にとらわれない、型破りなミステリがこの作品から始まったといっても 良いに違いありません(ほかの作品も読まない、かってな意見だけど)。
